どんぐり豆腐(トトリムク・도토리묵 )
韓国では秋になると、どんぐりの木の下には人が集まります。
子どもだけでなく、大人たちもどんぐり拾いに夢中です。
子どもたちは、どんぐり遊び、大人たちはどんぐり豆腐(トトリムク・도토리묵)を作ります。
ドングリは丸っこかったり、細くてつんとしているやつがあったり、つやつやしていたり、おしりががさがさしていたり、本当にかわいいのですが、かわいさあまってかじったらエグくて食べられたものではないそうです(子どものころかじった気がしますが…)。
それはエグみの原因タンニンが含まれているからだそうですが、あれだけ愛らしい食料が落ちていたら、どうにかして食べられないかと昔の人も頭をひねったんでしょうね。
韓国では、そのタンニンが水溶性であることを利用し、水でアク抜きをし、食べられるようにしています。
ドングリの皮むき・アク抜き作業はかなりの時間を要するようですが、それを粉にしたトトリムク粉が売られており、家庭でもその粉と水を混ぜ、加熱すれば家庭でも比較的簡単にトトリムクが作れます。
スーパーにも豆腐のようにパックで売っていて、もっと手軽に食卓に出せます。
韓国では「おかず(副菜)」として出されることも多く、普通、薄くスライスしたものを、醤油、一味唐辛子、油、ゴマ塩などを混ぜて作ったタレをかけて食べます。
ぷるぷるとして、やさしい食感で、口当たりもやさしく、辛い料理の合間合間につい箸が伸びます。
日本でも照葉樹林文化圏では昔、どんぐりを食用として食べていたという話を聞いたことがありましたが、高知県では樫豆腐、宮崎県では樫の実こんにゃくとして、常用食ではないにしろ、残っているんですね。
山の恵みのつながりを感じます。